Yuki-KG’s blog

アメリカやイギリス、英語のことなど書いています。

英語で理科〜化学〜

中学高校の理科でいろいろ習いましたが、そこで習った言葉や法則などについて、英語でなんて言うんだろうと思ったことありませんか? そんな、理科で出てくる英語をまとめてみました。 

今回は化学編です。物理についてはこちらをごらんください。

地学、生物などについてはまた別途紹介していきます。

Contents

固体 (solid)、液体 (liquid)、気体 (gas)

物質 (matter) は、原子 (atom) と分子 (molecular) と呼ばれる、極限まで小さい部分からなります。原子と分子は、固体 (solid)、液体 (liquid)、気体 (gas) という、物質の3つの状態 (state) を構成します。

物質を熱する (heat)、つまり (heat) を加えると、物質を構成する原子や分子の動きが増え、温度 (temperature) が上がります。物質によって熱の伝導 (conduction) が速かったり遅かったりしますが、これはその物質を構成する原子や分子の動きの速い遅いになります。

液体に熱を加えると、あるところで蒸発 (evaporation) が起こり、気体に変わります。逆に、気体の温度が下がると、凝縮 (condensation) が起こり、液体に変わります。 (water) の場合は、摂氏100度で水蒸気 (米 water vapor 英 water vapour) に変わったり、水蒸気が水に変わったりします。

液体は、温度が下がるとあるところで凝固 (freezing) が起こり、固体に変わります。逆に、固体に熱を加えると、融解 (melting) が起こり、液体に変わります。水の場合は、摂氏0度で (ice) に変わったり、氷が融けて水に変わったりします。

密度 (density)

密度 (density) \(D\) とは、物質の質量 (mass) \(m\) を、それが占める空間の体積 (volume) \(v\) で割ったもので、\(D = m/v\) です。体積が同じでも質量が異なれば、密度は異なります。質量が同じでも体積が異なれば、密度は異なります。原子の質量、大きさ、並び方によって、物質の密度は決まります。

液体の密度よりも低い密度の固体は、その液体に浮きます。液体の密度よりも高い密度の固体は、その液体に沈みます。液体についても、それが置かれた液体よりも密度が小さい場合、浮くことになります。置かれた液体より密度が高ければ、沈みます。

物質を加熱すると、密度は減少し、冷却すると密度が増加します。

周期表 (the periodic table)

原子 (atom) は、物質の最小の単位で、陽子 (proton)、中性子 (neutron)、電子 (electron) からなります。

陽子と中性子は原子の中央に位置し、原子核 (nucleus) を構成します。電子は原子核のまわりを回ります。陽子は電荷 (positive charge) を持っており、電子は負電荷 (negative charge) を持っています。

一種類の原子だけで構成される物質のことを元素 (element) といいます。同じ元素でも、中性子の数が異なる場合があります。同じ元素で中性子の数が異なる原子をその元素の同位体 (isotope) といいます。ある元素の原子質量は、その元素の異なる同位体の平均質量になります。

全ての物質を構成する原子についての情報は、周期表 (the periodic table) というチャートに乗っています。周期表では、原子は原子番号 (atomic number) が振られ、これはその原子のもつ陽子の数に等しくなっています。周期表の原子は、原子と原子の間、原子のグループとグループとの間の特徴や関係を示すために配置されています。

代表的な原子について以下に示します。

水素(H)hydrogen
ヘリウム(He)helium
リチウム(Li)lithium
ベリリウム(Be)beryllium
ホウ素(B)boron
炭素(C)carbon
窒素(N)nitrogen
酸素(O)oxygen
フッ素(F)fluorine
ネオン(Ne)neon
ナトリウム(Na)sodium
マグネシウム(Mg)magnesium
アルミニウム(Al)英 aluminium 米 aluminum
ケイ素(Si)silicon
リン(P)phosphorus
硫黄(S)sulfur
塩素(Cl)chlorine
アルゴン(Ar)argon
カリウム(K)potassium
カルシウム(Ca)calcium
チタン(Ti)titanium
クロム(Cr)chromium
マンガン(Mn)manganese
鉄(Fe)iron
コバルト(Co)cobalt
ニッケル(Ni)nickel
銅(Cu)copper
亜鉛(Zn)zinc
臭素(Br)bromine
銀(Ag)silver
カドミウム(Cd)cadmium
スズ(Sn)tin
ヨウ素(I)iodine
キセノン(Xe)xenon
プラチナ(Pt)platinum
金(Au)gold
水銀(Hg)mercury
鉛(Pb)lead
ラドン(Rn)radon

原子を取り囲む電子は、原子核の周囲にあるエネルギー準位 (energy level) と呼ばれる領域に位置しています。エネルギー準位とは、原子核を取り囲む3次元空間のうち、電子が最も多く存在する場所を表しています。
原子核に最も近いエネルギー準位を第1エネルギー準位 (first energy level)といいます。第2エネルギー準位 (second energy level) は、第1エネルギー準位より少し離れています。第3エネルギー準位 (third energy level) は第2エネルギー準位より少し離れています。それぞれのエネルギー準位は、次の準位に電子が移動する前に、異なる数の電子を収容することができます。

第1エネルギー準位に2個の電子があるとき、次の電子は第2エネルギー準位に入り、その準位の電子が8個になるまで続きます。第2エネルギー準位に8個の電子があるときは、次の電子は第3エネルギー準位に入り、3番目の準位の電子が8個になるまで続きます。第3エネルギー準位に8個の電子があるときは、次の2個の電子は第4エネルギー準位に入ります。

原子核から最も遠いエネルギー準位にある電子を価電子 (valence electron) とよびます。周期表の同じ列(グループ)の原子は、同じ数の価電子を持っています。価電子は、原子と原子の結合に関与しており、それぞれの原子の原子核が他の原子の価電子に引き寄せられることで、原子と原子が引き合わされます。この引力によって原子が結合すると、それぞれの原子の電子が両方の原子の原子核に引き寄せられ、電子を「共有」することになります。

原子の間で電子を共有することを共有結合 (covalent bond) といい、原子を分子としてつなぎ合わせるものです。共有結合は、両方の原子の引力が十分に強く、それぞれの原子の外側のエネルギー準位に電子を入れる余地がある場合に起こります。

原子はその外側のエネルギー準位が一杯になるまで共有結合をします。分子として共有結合した原子は、別々の原子であったときよりも安定します。

原子の陽子と電子の間の引力によって、電子はある原子から別の原子へと完全に移動することができます。原子が電子を失ったり獲得したりしたものをイオン (ion) と呼びます。電子を失った原子は陽イオン (positive ion)、電子を獲得した原子は、陰イオン (negative ion) になります。陽イオンと陰イオンは互いに引き合い、イオン結合を形成します。

水の分子は、全体として陽子10個、電子10個で、中性です。水分子の中では、酸素原子と水素原子が共有結合で電子を分け合っていますが、その分け方は均等ではありません。酸素と水素の共有結合では、酸素原子が水素原子よりも少し強く電子を引きつけます。電子の共有が不均等なため、水分子は酸素原子の近くでわずかに負電荷を帯び、水素原子の近くでわずかに正電荷を帯びます。中性分子の一端がプラス、もう一端がマイナスである場合、その分子は極性分子 (polar molecule) となります。水分子は、ある水分子のプラス端と別の水分子のマイナス端の間の引力に基づき、互いに引き合います。

液体の表面で分子が引き合うことを表面張力 (surface tension) といいます。

ものを溶かす

水分子の極性により、水はイオン結合した多くの物質を溶かす (dissolve) ことができます。食塩 (salt)、つまり塩化ナトリウム (sodium chloride) は、正のナトリウムイオン (sodium ion) と負の塩化物イオン (chloride ion) が結合したものです。水分子のプラスがマイナスの塩化物イオンを、マイナスがプラスのナトリウムイオンを引き寄せるので、水は塩を溶かすことができるのです。

ある物質がある温度で液体に溶ける量を、その物質の溶解度 (solubility) といいます。溶かされる物質を溶質 (solute)、溶かす物質を溶媒 (solvent) といいます。溶解度は、溶質と溶媒との相互作用に依存するので、物質によって異なります。

液体が固体を溶かすには、液体と固体の分子が互いに引き合う必要があります。砂糖 (sugar)、つまりショ糖 (sucrose) の酸素原子と水素原子の結合(O-H結合)は、酸素にわずかなマイナスの電荷を、水素にわずかなプラスの電荷を与えます。ショ糖は極性分子なので、極性を持つ水分子は、極性を持つショ糖分子上のマイナス部分とプラス部分を引き付け、ショ糖を水に溶かします。油のような非極性物質 (nonpolar substance) は、ショ糖のような極性物質を溶かすことはありません。

液体も水に溶けることがあります。水のような極性液体は、極性または多少極性のある他の液体を溶かしますが、油のような非極性液体を溶かすことはありません。

気体も水に溶けることがあります。気体が水に溶けるかどうかは、気体の分子と水の分子との相互作用に依存します。水に溶ける気体の量は、水の温度に依存します。冷たい水には、熱い水よりも多くの気体が溶けることができます。

溶解の過程には、吸熱 (endothermic) と発熱 (exothermic) があります。水が物質を溶かすとき、水の分子は物質の粒子(分子またはイオン)を引きつけて「結合」し、粒子を互いに分離させます。水の分子が作る「結合」は、共有結合でもイオン結合でもなく、水の極性による強い引力です。

溶質の分子やイオン間の結合を切るにはエネルギーが必要です。水の分子が溶質の分子またはイオンと結合するときにエネルギーが放出されます。水分子が粒子と結合するときに放出されるエネルギーよりも、溶質の粒子を分離するために必要なエネルギーの方が多ければ、温度は下がります(吸熱)。これに対し、水分子が粒子と結合するときに放出されるエネルギーよりも、溶質の粒子を分離するために必要なエネルギーが少なければ、温度は上昇します(発熱)。

化学反応 (chemical reaction)

状態変化や溶解などの物理的な変化では新しい物質は生まれませんが、化学的な変化では新しい物質が生まれます。

化学反応 (chemical reaction) では、互いに作用し合う原子や分子を反応物 (reactant) と呼び、反応によって生成される原子や分子を生成物 (product) と呼びます。

化学反応では、反応物に存在する原子だけが、最終的に生成物になることができます。新しい原子が作られることも、原子が破壊されることもありません。化学反応では、反応物同士が接触し、反応物中の原子間の結合が切断され、原子が再配列して新しい結合を形成し、生成物が作られます。温度を上げると、反応物の分子の平均速度が上がり、反応に十分な速さで動く分子の数が増えるので、生成物がより早く生成されます。

化学反応では、質量が保存 (conserve) されます。

2種類の溶液中のイオンまたは分子が反応して固体を形成することがあります。これを沈殿物 (precipitate) と呼びます。

化学反応における反応物同士をより速く反応させることができる物質のことを触媒 (catalyst) といいます。触媒は、実際には反応の生成物の一部にはなりません。

酸 (acid) と塩基 (base)

溶液が酸性 (acidic) か塩基性 (basic) かは、pHスケールで測定することができます。万能指示薬 (universal indicator) を溶液に加えると、色の変化でその溶液のおおよそのpHを知ることができます。 (acid) は、万能指示薬の溶液を緑から赤に変化させます。塩基 (base) の場合、万能指示薬は緑色から紫色に変化します。

水分子(H2O)は互いに作用して、H3O+イオンとOH-イオンを形成することができます。pH7では、水中のH3O+イオンとOH-イオンが同数であり、これを中性溶液 (neutral solution) と呼びます。酸性溶液 (acidic solution) は、pHスケールで7以下、塩基性溶液 (basic solution) は、pHスケールで7以上のpHがあります。

酸性の溶液に塩基を加えると、溶液の酸性度は下がり、pHスケールの中間に移動します。これを酸の中和 (米 neutralizing 英 neutralising) といいます。塩基性溶液に酸を加えると、その溶液は塩基性が弱くなり、pHスケールの中央に向かって移動します。これを塩基の中和といいます。

水に溶けている二酸化炭素 (carbon dioxide) ガスは、水を酸性にする原因になります。二酸化炭素ガスが溶け込んだ水の酸性度は、重曹炭酸水素ナトリウム sodium bicarbonate)などの塩基で下げることができます。

参考