Yuki-KG’s blog

アメリカやイギリス、英語のことなど書いています。

英語で美術

中学の美術でいろいろ習いましたが、そこで習った用語などについて、英語でなんて言うんだろうと思ったことありませんか? そんな、美術で出てくる英語をまとめてみました。 

Contents

色 (米 color 英 colour)

色の三要素

色の三要素あるいは色の三属性 (three attributes of color) として、赤や青や黄色や緑などの色みをあらわす色相 (hue)、色の明るさを示す明度 (lightnessあるいはvalue)、色が明瞭かくすんでいるかを示す彩度 (saturationあるいはchromaあるいはcolorfulness) の3つがあります。色相は下の図のように円形に配置することができます。これを色相環 (hue circle) といいます。

MunsellColorWheel.svg
By Thenoizz - Own work, CC BY 3.0, Link

色相環で向かい合う位置にある2つの色の関係を補色 (complementary color) といいます。例えば赤と緑は互いに補色の関係にあります。補色の関係にある色は互いに引き立たせるといわれています。

色相のある色のことを有彩色 (chromatic color) といいます。これに対し、白や黒、グレーなどは色相がありません。こういう色のことを無彩色 (achromatic color) といいます。補色の関係にある2つの色を混ぜ合わせると無彩色になります。

色相・明度・彩度

 

色相 (hue)、明度 (lightness)、彩度 (saturation) を入力してください。

Hue (0-360 degrees):

Lightness (0-100%):

Saturation (0-100%):

色の三原色

赤、黄、青の3つを色の三原色といいます。これらを混ぜ合わせることにより色を作り出すことができます。3つの原色を全部混ぜ合わせると黒になります。

Synthese-.svg
Quark67 - SubtractiveColorMixing.png, CC 表示-継承 2.5, リンクによる

色の三原色

 

赤 (magenta)、黄 (yellow)、青 (cyan) を入力してください。

Magenta (0-100%):

Yellow (0-100%):

Cyan (0-100%):

光の三原色

赤、緑、青の3つを光の三原色といいます。光も混ぜ合わせることによりいろいろな色を作ることができます。3つの原色を全部混ぜ合わせると白になります。

AdditiveColorMixing.svg
Quark67 (Modified color by Monami) - Image:Synthese+.svg, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

光の三原色

 

赤 (red)、緑 (green)、青 (blue) を入力してください。

Red (0-100%):

Green (0-100%):

Blue (0-100%):

レタリング (lettering)

印刷物の文字には書体 (font) があります。書体を組むことをレタリング (lettering) といいます。

和文の書体の代表的なものは明朝体 (mincho) とゴシック体 (Gothic) があります。

明朝体は毛筆をもとにした書体で、横棒の右側に山形の飾りがあったり、縦棒と横棒とで太さが異なったりします。

ゴシック体は線の太さがほぼ同一のもので、飾りなどを省略したものです。一般的にゴシック体は太いので、語句を強調したりするために使われることが多いです。

欧文の場合は、大きく分けてセリフ体 (serif)、サンセリフ (sans serif) があります。

セリフ体とは文字に装飾のついた書体のことで、本文の記述に適しています。グーテンベルクの時代はGaramondが代表的なセリフ体でしたが、18世紀ごろからはTimes RomanやBaskerville、19世紀ごろからはBodoniやその派生形のNew Century Schoolbookなどが出てきました。

サンセリフ体は、和文のゴシック体のように装飾を省いて太さを同じにしたもので、20世紀になってから見出しや看板などに使われるために生まれました。代表的なものとしてGill(1927年)、Futura(1928年)、Helvetica(1957年)、Frutiger(1976年)があります。

表現

絵画 (painting)

絵画 (painting) は、二次元の表現方法の代表的なもので、色や線を使って表現するものです。

絵画には、対象となるものによって、人物画 (figure painting)、肖像画 (portrait painting)、自画像 (self-portrait)、静物 (still life)、風景画 (landscape painting)、植物画 (botanical art)、動物画 (zoological art) などがあります。

画材として紙、キャンバス、食器や陶器、壁面、天井、ガラス、板などがあり、手段として鉛筆、クレヨン (crayon)、パステ (pastel)、水彩絵の具 (watercolor)、油絵の具 (oil paint)、インク (ink)、テンペラ (tempera)、フレスコ (fresco)、スプレー (spray paint)などがあります。最近ではタブレットを使って絵を描くこともできます。

色を使う手段以外にも、デッサン (drawing) など、線で描くだけの表現手段もあります。

絵を描く以外にも、既成の絵などを切り貼りして新しい作品にするコラージュ (collage) や、写真を切り貼りするフォトモンタージュ (photomontage) などの技法を使って表現することもあります。 

版画 (printmaking)

版画 (printmaking) も二次元の表現方法の一つで、彫刻を施した版面にインクをつけて紙に写しとって印刷するものです。版画には凸版画 (relief printing)、凹版画 (intaglio)、平版画 (planographic printing)、孔版画 (screen printing あるいは serigraphy) の4つがあり、凸版画の代表的なものとして木版画 (woodcut)、凹版画の代表的なものとして銅版画 (chalcography)、平版画の代表的なものとして石版画 (lithography)、孔版画の代表的なものとしてシルクスクリーン (silk screen) があります。版面を作るには、彫刻のほか、薬剤で版面を腐食させるエッチング (etching) という手法などがあります。

彫刻 (sculpture)

彫刻 (sculpture) は、三次元の表現方法の代表的なもので、石や木材、金属、粘土 (clay)、石膏 (gypsum) などの素材を彫ったりこねたりして形を作るものです。

その他

それ以外には、建築物や工芸品なども美術品として価値のあるものがあります。

美術の歴史

美術の歴史は、紀元前にさかのぼります。この時代のギリシャでは、青銅 (bronze) で彫刻がさかんに作られました。ギリシャパルテノン神殿 (The Parthenon) の柱はエンタシス (entasis) という、中央がふくらんだ形になっています。絵画は壁画が多く、遠近法を用いて細部まで正確に描かれているのが特徴です。

フランスのラスコー (Lascaux)、スペインのアルタミラ (Altamira) には洞窟壁画 (cave paintings) があります。

ラスコー洞窟壁画(上)とアルタミラ洞窟壁画(下)
Lascaux painting.jpg
By Prof saxx - Own work, Public Domain, Link
9 Bisonte Magdaleniense polícromo.jpg
By Museo de Altamira y D. Rodríguez, CC BY-SA 3.0, Link

中国の秦の始皇帝の墓には兵馬俑 (The Terracotta Army) という、兵士や馬の人形が埋められています。

古代ローマでは、アーチ状を主体とした石造りの建築が主体で、神々を祀る神殿であるパンテオン (pantheon) が多く作られました。

ローマのパンテオン
Pantheon Rom 1 cropped.jpg
By Rabax63 - File:Pantheon_Rom_1.jpg, CC BY-SA 4.0, Link

キリスト教が広まり、313年にローマ帝国キリスト教を公認すると、パンテオンはすたれ、教会がどんどん建つようになり、宗教画を中心とした絵画が描かれました。代表的なものは「最後の審判 (The Last Judgment)」などです。

建築は、シリカ (basilica) という長方形の建物が発達し、公共施設を中心に建てられていきました。バシリカ式の建築の代表的なものとしてイタリア・ローマにあるサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂 (The Basilica of Saint Mary Major) があります。

サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂
Basilica di Santa Maria Maggiore - Roma.jpg
By NikonZ7II - Own work, CC BY-SA 4.0, Link

11世紀ごろになると、イタリア、フランス、スペイン、ドイツ、イングランドなどで、ロマネスク (Romanesque) という様式が始まりました。イタリアのピサにあるピサの斜塔 (The Leaning Tower of Pisa) は、ロマネスク建築で造られています。

ピサの斜塔
Italy - Pisa - Leaning Tower.jpg
By Arne Müseler / www.arne-mueseler.com, CC BY-SA 3.0 de, Link

ローマ帝国の東の方のビザンチン帝国では、中世のキリスト教美術として、イスタンブールにあるアヤソフィア大聖堂 (Hagia Sophia) のビザンチン建築 (Byzantine architecture) がおこりました。ビザンチン美術で発展したのが、色のついた大理石を壁に埋め込んで作るモザイク (mosaic) です。ちなみにアヤソフィア大聖堂は1453年のオスマン帝国によるコンスタンチノープル陥落に伴いイスラム教のモスクとなり、1931年からは博物館になりましたが、2020年から再びモスクとして使用されています。

アヤソフィア大聖堂とモザイク壁画の例
Hagia Sophia Mars 2013.jpg
By Arild Vågen - Own work, CC BY-SA 3.0, Link

Hagia Sophia Southwestern entrance mosaics 2.jpg
By File:Hagia_Sophia_Southwestern_entrance_mosaics.jpg: Photograph: Myrabella derivative work: Myrabella - This file was derived from: Hagia Sophia Southwestern entrance mosaics.jpg:&  , Public Domain, Link

12世紀後半ごろからフランスでゴシック (Gothic) がおこりました。ゴシックとは、ゴート族 (Goth) (ゲルマン民族の一種)の形容詞形で、「野蛮な」というニュアンスのある言葉ですが、建物の中が暗いロマネスク建築に対して、ゴシック建築では、ステンドガラスの多用や、教会の中を明るく見せたり、アーチを尖らせたり柱を一つに束ねた束ね柱などが特徴です。世界最大のゴシック様式の建築物はドイツ・ケルンにあるケルン大聖堂 (Cologne Cathedral) です。

ケルン大聖堂
Kölner Dom von Osten.jpg
By Thomas Wolf, www.foto-tw.de, CC BY-SA 3.0 de, Link

15世紀になると、イタリアでルネッサンス (renaissance) がはじまりました。ルネッサンスとは、人間や自然をありのままにとらえようとする文芸運動のことで、写実主義 (realism) に基づいた絵画などが描かれました。ルネッサンスの三大巨匠として、レオナルド・ダ・ヴィンチ (Leonardo da Vinci)、ミケランジェロ (Michelangelo)、ラファエッロ・サンティ (Raffaello Santi) がいます。代表作は、ダ・ヴィンチの「モナ・リザ (Mona Lisa)」「最後の晩餐 (The Last Supper)」「受胎告知 (Annunciation)」、ミケランジェロダビデ像 (David)、ラファエッロの「アテナイの学堂 (The School of Athens)」などがあります。そのほかにも、サンドロ・ボッティチェッリ (Sandro Botticelli) の「ヴィーナスの誕生 (The Birth of Venus)」なども有名な作品です。

16世紀末ごろから、バロック (Baroque) がさかんになってきました。バロック建築の代表的なものにフランスのヴェルサイユ宮殿 (Palace of Versailles) があります。

ヴェルサイユ宮殿
Chateau Versailles Galerie des Glaces.jpg
By Photo: Myrabella / Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0, Link

18世紀になると、ロココ (Rococo) がおこり、優美・繊細な美術様式とされました。オーストリアシェーンブルン宮殿 (Schönbrunn Palace) などが代表的なものです。

シェーンブルン宮殿
15-04-18-Schloß-Schönbrunn-Großer-Saal-DSCF3688-RalfR.jpg
By Ralf Roletschek - Own work, GFDL 1.2, Link

19世紀にはフランスのバルビゾン村に画家が集まり、バルビゾン派 (Barbizon school) という一派が生まれました。代表的なものはジャン=フランソワ・ミレー (Jean-François Millet) の「落穂拾い (The Gleaners)」テオドール・ルソー (Théodore Rousseau) やジャン=バティスト・カミーユ・コロー (Jean-Baptiste-Camille Corot) の作品があります。

ミレー「落穂拾い」
Jean-François Millet - Gleaners - Google Art Project 2.jpg
By Jean-François Millet - CgHjAgexUzNOOw at Google Arts & Culture, Public Domain, Link

19世紀後半にはクロード・モネ (Claude Monet) の「印象・日の出 (Impression, Sunrise)」をはじめとする印象派 (impressionism) がおこり、明るい色彩で風景を描く一派が出ました。印象派の画家はほかにエドゥアール・マネ (Édouard Manet)、ピエール=オーギュスト・ルノワール (Pierre-Auguste Renoir) などがいます。19世紀末には後期印象派 (post-impressionism) がおこり、フィンセント・ファン・ゴッホ (Vincent van Gogh) の「ひまわり (Sunflowers)」やポール・ゴーギャン (Paul Gauguin) やポール・セザンヌ (Paul Cézanne) の作品などが世に出ました。

モネ「印象・日の出」
Monet - Impression, Sunrise.jpg
By Claude Monet - art database, Public Domain, Link

19世紀末〜20世紀初頭には写実主義から抽象的な表現に変わり始めました。これを抽象表現主義 (abstract expressionism) といいます。

立体派 (Cubism) とは、自然を多角的に捉える一派で、パブロ・ピカソ (Pablo Picasso) がその代表的な画家です。

Pablo Picasso, 1910, Girl with a Mandolin (Fanny Tellier), oil on canvas, 100.3 x 73.6 cm, Museum of Modern Art New York..jpg
By Pablo Picasso - wordpress, PD-US, Link

野獣派 (Fauvism) は原色を使った荒々しい筆遣いが特徴で、ギュスターヴ・モロー (Gustave Moreau) やアンリ・マティス (Henri Matisse) などがこれに属します。

Henri Matisse painting Woman with a Hat, from 1905. in the San Francisco Museum of Modern Art
By Henri Matisse - http://www.sfmoma.org/explore/collection/artwork/213, PD-US, Link

参考