Yuki-KG’s blog

アメリカやイギリス、英語のことなど書いています。

英語で音楽

中学の音楽でいろいろ習いましたが、そこで習った用語などについて、英語でなんて言うんだろうと思ったことありませんか? そんな、音楽で出てくる英語をまとめてみました。

Contents

音楽の三要素

リズム (rhythm)、メロディー (melody)、ハーモニー (harmony) が音楽の三要素といわれています。リズムとは、音の時間的な長さや拍子 (beat) の組み合わせ、メロディーとは、音の高さ (pitch) の組み合わせ、ハーモニーとは、複数の音の組み合わせのことです。

楽譜 (sheet music)

曲は楽譜 (sheet music) に描いてあらわします。西洋音楽では、楽譜は下図のように、5本の等間隔の水平線をひいた五線譜 (米 staff 英 stave。複数形はどちらも staves) が使われます。

Grand staff.svg
By Gstaff.gif: Tarret Music-staff.svg: Ummagumma Music-GClef.svg: Ch1902 Accolade.svg: Mikael Häggström Music-Fclef.svg: Popadius derivative work: DustyComputer (talk) - Gstaff.gif Music-staff.svg Music-GClef.svg Accolade.svg Music-Fclef.svg, CC BY-SA 3.0, Link

ピアノなどの鍵盤楽器やハープでは、上記のように、五線を二段にして、上段の先頭にト音記号 (G-clef あるいは treble clef)𝄞、下段の先頭にヘ音記号 (F-clef あるいは bass clef) 𝄢を書いて、左端を縦線でつないでカッコ (bracket) で結んだ形のものが描かれることが多いです。このようなものを大譜表 (米 grand staff 英 great stave) といいます。これは、上の五線と下の五線を同時に演奏することを意味します。

ト音記号ヘ音記号のほかにハ音記号 (C-clef)𝄡もあります。

リズム (rhythm)

五線譜上に音符 (musical note あるいは単に note) を置いて、音の長さを表現します。4拍子分の音に対応する音符を全音 (米 whole note 英 semibreve) といい、その半分、つまり2拍子分の音に対応する音符を二分音符 (米 half note 英 minim) といいます。二部音符の半分の時間に対応する音符を四分音符 (米 quarter note 英 crotchet)、以下同様に八分音符 (米 eighth note 英 quaver)、十六分音符 (米 sixteenth note 英 semiquaver) のようになります。

全音符の時間に対応する時間、演奏しないで休む意味の全休符 (米 whole rest 英 semibreve rest) があります。全休符の半分の時間休むものを二分休符 (米 half rest 英 minim rest)、以下同様に四分休符 (米 quarter rest 英 crotchet rest)、八分休符 (米 eighth rest 英 quaver rest)、十六分休符 (米 sixteenth rest 英 semiquaver rest) があります。

全音符と全休符

下図の左が全音符、右が全休符です。

Whole note and rest.svg
By Matrix0123456789 - Own work, Public Domain, Link

二分音符と二分休符

下図の左2つが二分音符、一番右が二分休符です。

Half notes and rest.svg
CC BY-SA 3.0, Link

四分音符と四分休符

下図の左2つが四分音符、一番右が四分休符です。

Quarter notes and rest.svg
CC BY-SA 3.0, Link

八分音符と八分休符

下図の左2つが八分音符、一番右が八分休符です。

Eighth notes and rest.svg
By DoktorMandrake - Eighth_notes_and_rest.png, CC BY-SA 3.0, Link

十六分音符と十六分休符

下図の左2つが十六分音符、一番右が十六分休符です。

Sixteenth notes and rest.png
CC BY-SA 3.0, Link

ト音記号ヘ音記号、ハ音記号に続いて、拍子 (米 meter 英 metre) を書きます。4分の4拍子なら五線の真ん中の線を基準にして、上に4、下に4と書きます。4分の3拍子なら上に3、下に4と書きます。

拍子の数の時間区間のことを小節 (米 measure 英 bar) といい、小節ごとに縦線(小節線 bar line)を引いて区切ります。1つの小節の中に拍子の数だけの四分音符が入ります。小節線を2本引いたものを複縦線 (double bar line) といいます。縦線のすぐ後ろに太い縦線を引いたものを終止線 (music end) といい、曲の終わりを示します。

小節単位で演奏を繰り返す時は繰り返し記号 (repeat sign あるいは repeat bar line) を使います。繰り返し部分の始まりを示すには、太い縦線と細い縦線を続けて引き、その後ろに点を五線の真ん中2つのスペース内に1個ずつ打ちます(𝄆)。繰り返し部分の終わりを示すには、点を五線の真ん中2つのスペース内に1個ずつ打ち、その後ろに細い縦線、太い縦線を続けて引きます(𝄇)。演奏者が𝄇に到達したら、𝄆のところからもう一度演奏します。𝄇しかない場合は、そこに到達したら曲のはじめから繰り返します。

 

Barlines.svg
By Mets501 at English Wikipedia, CC BY-SA 3.0, Link

メロディー (melody)

五線譜は五本の線とその間のスペースが音の高さ (pitch) に対応しています。上に行くほど高く、下に行くほど低い音をあらわします。

音の高さは、音の周波数 (frequency) に対応します。周波数440ヘルツの音を (A) と決め、ト音記号が書かれた五線譜上の下から2つ目のスペースを割り当てます。楽器の音合わせをするときはこの音を鳴らします。

Treble a.svg
The note A or La   By Dbolton - Own work, CC0, Link

イ音のすぐ上の線(五線譜の真ん中の線)の高さを (B)、そのすぐ上のスペース(上から2つ目のスペース)を (C)、そのすぐ上の線を (D)、以下上に行くごとに (E)、 (F)、 (G)、とし、ト音の上の音をまたイ音とします。そしてその上はまたロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、ト、・・・と繰り返します。またイ音の下もト、ヘ、ホ、ニ、ハ、ロ、イ、・・・と繰り返します。イ音と次のイ音との間隔のことをオクターブ (octave) といいます。1オクターブ上の音は周波数が倍になります。

イとロ、ハとニ、ニとホ、ヘとト、トとイの間の音の隔たり(音程 (interval))は全音 (full step あるいは whole tone) あいていて、これらの音の間にも音があります。

  • イとロの間の音を嬰イ (A sharp) あるいは変ロ (B flat)
  • ハとニの間の音を嬰ハ (C sharp) あるいは変ニ (D flat)
  • ニとホの間の音を嬰ニ (D sharp) あるいは変ホ (E flat)
  • ヘとトの間の音を嬰ヘ (F sharp) あるいは変ト (G flat)
  • トとイの間の音を嬰ト (G sharp) あるいは変イ (A flat)

といいます。これらの音と隣り合う音との音程は半音 (half step あるいは semitone) しかあいていません。またロとハ、ホとヘの間も半音しかあいていません。

  • 音符で示した音がイ、ハ、ニ、ヘ、トのいずれかの場合、その高さを半音上げるときは、その音符の左隣に♯をつけます。
  • 音がイ、ロ、ニ、ホ、トのいずれかの場合、その高さを半音下げるときは、その音符の左隣に♭をつけます。

1オクターブは半音ずつあいた音が12個あることになります。これを半音階 (chromatic scale) といいます。音階 (scale) とは音を高さの順に昇順あるいは降順に並べたものをいいます。これに対し、1オクターブを7つの音だけで満たす音階のことを全音 (diatonic scale) といいます。

ハ、ニ、ホ、ヘ、ト、イ、ロからなる全音階のハ音のことを主音 (tonic) と呼び、これに (do) という音を割り当てます。ニ音には (re) 、ホ音には (mi)、以下同様にヘ、ト、イ、ロにそれぞれファ (fa)、 (so)、 (la)、 (ti) という音を割り当てます。このドレミファソラシという音はイタリア語の do-re-mi-fa-sol-la-si をもとにしており、音の高さの間の相対的な関係をあらわします。

主音をハ音ではなく、たとえばニ音にした場合、ニ、ホ、嬰ヘ、ト、イ、ロ、嬰ハの組み合わせはハ、ニ、ホ、ヘ、ト、イ、ロの組み合わせと同じような音階に聞こえます。このような場合は、ニ、ホ、嬰ヘ、ト、イ、ロ、嬰ハにそれぞれド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シの音を割り当てます。こうしたとき、ミとファ、シとドの間は半音、それ以外の隣り合う音は全音あきます。

主音がホの場合、ホ、嬰ヘ、嬰ト、イ、ロ、嬰ハ、嬰ニがそれぞれド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シとなります。このときも、ミとファ、シとドの間は半音、それ以外の隣り合う音は全音あきます。

このように、主音をどれに設定しても、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シの音階を設定することができます。このような特徴を調性 (tonality) があるといい、調性がある音組織のことを調 (key) といいます。ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シの音階のことを長調 (major key) といいます。これに対し、ラを主音とし、ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソからなる音階のことを短調 (minor key) といいます。短調もシとド、ミとファの間は半音、それ以外の隣り合う音は全音あきます。

長調短調は、どれを主音とするかで名前がつきます。たとえばハを主音とする長調ハ長調 (C major)、ホを主音とする短調ホ短調 (E minor) のようにいいます。

長調と、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シとなる音の高さの組み合わせを以下に示します。

Key 調 ドレミファソラシとなる
音の組み合わせ
C ハ長調
C major
C-D-E-F-G-A-B
C♯ 嬰ハ長調
C sharp major
C♯-D♯-E♯-F♯-G♯-A♯-B♯
D♭ 変ニ長調
D flat major
D♭-E♭-F-G♭-A♭-B♭-C
D ニ長調
D major
D-E-F♯-G-A-B-C♯
E♭ 変ホ長調
E flat major
E♭-F-G-A♭-B♭-C-D
E ホ長調
E major
E-F♯-G♯-A-B-C♯-D♯
F ヘ長調
F major
F-G-A-B♭-C-D-E
F♯ 嬰ヘ長調
F sharp major
F♯-G♯-A♯-B-C♯-D♯-E♯
G♭ 変ト長調
G flat major
G♭-A♭-B♭-C♭-D♭-E♭-F
G ト長調
G major
G-A-B-C-D-E-F♯
A♭ 変イ長調
A flat major
A♭-B♭-C-D♭-E♭-F-G
A イ長調
A major
A-B-C♯-D-E-F♯-G♯
B♭ 変ロ長調
B flat major
B♭-C-D-E♭-F-G-A
B ロ長調
B major
B-C♯-D♯-E-F♯-G♯-A♯
C♭ 変ハ長調
C flat major
C♭-D♭-E♭-F♭-G♭-A♭-B♭

短調と、ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソとなる音の高さの組み合わせを以下に示します。

Key 調 ラシドレミファソとなる
音の組み合わせ
Am イ短調
A minor
A-B-C-D-E-F-G
A♯m 嬰イ短調
A sharp minor
A♯-B♯-C♯-D♯-E♯-F♯-G♯
B♭m 変ロ短調
B flat minor
B♭-C-D♭-E♭-F-G♭-A♭
Bm ロ短調
B minor
B-C♯-D-E-F♯-G-A
Cm ハ短調
C minor
C-D-E♭-F-G-A♭-B♭
C♯m 嬰ハ短調
C sharp minor
C♯-D♯-E-F♯-G♯-A-B
Dm ニ短調
D minor
D-E-F-G-A-B♭-C
D♯m 嬰ニ短調
D sharp minor
D♯-E♯-F♯-G♯-A♯-B-C♯
E♭m 変ホ短調
E flat minor
E♭-F-G♭-A♭-B♭-C♭-D♭
Em ホ短調
E minor
E-F♯-G-A-B-C-D
Fm 短調
F minor
F-G-A♭-B♭-C-D♭-E♭
F♯m 嬰へ短調
F sharp minor
F♯-G♯-A-B-C♯-D-E
Gm ト短調
G minor
G-A-B♭-C-D-E♭-F
G♯m 嬰ト短調
G sharp minor
G♯-A♯-B-C♯-D♯-E-F♯
A♭m 変イ短調
A flat minor
A♭-B♭-C♭-D♭-E♭-F♭-G♭

嬰ハ長調変ニ長調嬰ヘ長調変ト長調ロ長調変ハ長調嬰イ短調変ロ短調嬰ニ短調変ホ短調嬰ト短調変イ短調は同じ音階です。また嬰ニ長調、嬰ト長調、嬰イ長調、嬰ロ短調、変ハ短調、変ト短調は存在しません。

音符を五線譜の上に置いて、音の高さを示すことができます。このとき、音符の丸い部分を五線譜の対応する高さの位置に描きます。

ハーモニー (harmony)

和音 (chord) とは、高さの異なる音を同時に鳴らしたもので、3つの音からなる和音を三和音 (triad)と呼びます。三和音のうち、ドとミとソからなる和音を主和音 (tonic) 、ソとシとレからなる和音を属和音 (dominant)、ファとラとドからなる和音を下属和音 (subdominant) といいます。

音楽の歴史

ヨーロッパの音楽の歴史は、17〜18世紀頃のバロック (Baroque)、18世紀中頃から終わり頃の古典派 (Classical)、19世紀頃のロマン派 (Romantic)、それ以降の近現代音楽に分けられます。

バロック音楽 (Baroque music) の代表的なものはアントニオ・ヴィヴァルディ (Antonio Vivaldi)の「四季 (Four Seasons)」、ヨハン・セバスチャン・バッハ (Johann Sebastian Bach) のトッカータ (toccata) やフーガ (fugue)、ジョージ・フレデリックヘンデル (George Frideric Hendel) の「メサイア (Messiah)」などです。

古典派音楽 (Classical music) は主にウィーンで花開き、代表的なものはフランツ・ヨーゼフ・ハイドン (Franz Joseph Haydn) の「天地創造 (The Creation)」、ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト (Wolfgang Amadeus Mozart) の「フィガロの結婚 (The Marriage of Figaro)」、ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーベン (Ludwig van Beethoven) の「運命 (Symphony No. 5)」などです。

ロマン派音楽 (Romantic music) の代表的なものはカール・マリア・フォン・ウェーバー (Carl Maria von Weber) の「魔弾の射手 (Der Freischütz)」、フランツ・シューベルト (Franz Schubert) の「魔王 (Erlkönig)」、フレデリック・フランソワ・ショパン (Frédéric François Chopin) の「革命」、フェリックス・メンデルスゾーン (Felix Mendelssohn) の「夏の夜の夢 (A Midsummer Night's Dream)」、ヨハネス・ブラームス (Brahms) の「ドイツ・レクイエム (A German Requiem)」、ベドルジハ・スメタナ (Bedřich Smetana) の「モルダウ (The Moldau)」、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー (Pyotr Ilyich Tchaikovsky) の「白鳥の湖 (Swan Lake)」、ウィルヘルム・リヒャルト・ワーグナー (Wilhelm Richard Wagnar) の「タンホイザー (Tannhäuser)」、ジャコモ・プッチーニ (Giacomo Puccini) の「蝶々夫人 (Madama Butterfly)」、アントニン・レオポルトドヴォルザーク (Antonín Leopold Dvořák) の「新世界より (From the New World)」などです。

近現代音楽の代表的なものはモーリス・ラヴェル (Maurice Ravel) の「ボレロ (Boléro)」などです。

参考