Yuki-KG’s blog

アメリカやイギリス、英語のことなど書いています。

英語で参考文献を書く

本でも論文でもブログでも、なにかを書くときに、他人のアイデアや言葉を使うときは、その出典を文献管理 (documentation) しなければなりません。それをしないで、他人の考えを盗んで自分のもののようにみせかけることは、盗作 (plagiarism) とよばれ、ばれると非常に重い社会的制裁を受けてしまう重大な反則事項です。

ここでは英語で文章を書いたときの参考文献の参照のしかたを紹介します。

Contents

本文中にカッコ書きで参考文献を示す

このように、引用する情報の直後の句読点の前に、カッコ書きで参考文献を示します。

The islands of Samoa make up one of the most exotic places in the world. Filled with strange animals seen nowhere else, overflowing with tropical plants, Samoa is often considered the ultimate destination for the adventurous tourist (Wilson 230).

サモアの島々は、世界で最もエキゾチックな場所の一つだ。他では見られない奇妙な動物や熱帯植物で溢れるサモアは、しばしば冒険好きな観光客のための究極の目的地と考えられている(ウィルソン、230頁)。

カッコの中の書き方について説明します。

著者が1人の著作物を参照するときは、その著者の姓と、その引用する情報が書いてあるページ番号を書きます。

例: (Workford, 58)

著者が複数の著作物を参照するときは、全著者の姓を書くか、筆頭著者の姓に続けて「et al.」と書きます。
例: (Workford, Hoskins, and Turner 79) もしくは (Workford et al. 79)

同じ著者で複数の著作物があるときは、その文献名またはその短縮名を入れます。
例: (Workford, Beautiful Samoa 124)

本文中で参考文献の著者名について言及するときは、その参照物のページ番号だけをカッコ書きにします。

As Wilson points out, even an increase in tourism has not blighted the natural beauty of these jungle islands—yet (104).

ウィルソンが指摘するように、観光業が大きくなってもなお、これらの熱帯雨林の島々の自然の美しさが脅かされることは―まだ―ない(104頁)。

上の例文は被引用者であるウィルソンのことを本文で言及しているので、カッコの中は著書のページ数のみを書きます。

カッコはふつう、引用する情報の直後の句読点の前におくのですが、文末に引用符でくくられたものがくる文に参考文献を示すときは、カッコ書きは最後の引用符のあとに書き、そのうしろにピリオドを打ちます。

The intrepid adventurer on Samoa will quickly find that the abundance of flora and fauna is “unequaled anywhere else in the world” (Wilson 96).

サモアの勇敢な冒険家なら、動植物相の豊富さが「世界で他に類がない」とすぐに気づくだろう(ウィルソン、96頁)。

3行以上の長い引用は、引用符を使わず、引用部分全体がインデント(字下げ)されます。そこに参考文献を示す場合、カッコ書きは最後の文のピリオドのうしろに書きます。

Western Samoa is still closely linked with long-ago Polynesia, but American Samoa is strongly stamped with the modern world. Pago-Pago, the capital, is beset with traffic jams and modern social ills. Western Samoa, on the other hand, is a poverty-striken nation, but here you can still see history. (Wilson 252)

西サモアはいまだに古くからのポリネシアに密接に結びついているが、アメリカ領サモアは現代世界に強く影響されている。首都パゴパゴには交通渋滞や現代社会の悪条件がある。一方西サモアは貧困に苦しむ国だが、ここではまだ歴史を見ることができる(ウィルソン、252頁)。

注釈 (endnote) や脚注 (footnote) を使う

参照する本文のうしろに、上付き数字を書きます。

Samoa has been examined by scientists and poets alike. Margaret Mead performed her famous studies of native adolescent life here8, and Robert Louis Stevenson lived for a few years and “died on his own Treasure Island.”9

サモアは科学者と詩人によって同様に調査されている。マーガレット・ミードはここで現地人の青年の生活について有名な研究を行い8、またロバート・ルイス・スティーブンソンは数年間暮らしたあと「自分の宝島で死んだ。」9

注釈 (endnote) は、本文の最後に「Notes」という見出しをつけた別ページを設け、そこに文献を一覧にしてまとめます。脚注 (footnote) は、参照する本文のあるページの下部に文献一覧を書いたものです。注釈にしても脚注にしても、一覧には以下のような出典の情報を含めます。

  1. 注の番号
  2. 著者名(ファーストネームを先。追加の著者があれば全員書く)
  3. 記事あるいは本のタイトルと出版社
  4. 出版社の情報(本の場合、出版場所と出版社名、出版日)
  5. 情報を使ったページ番号

例:3Martin Stinger, “Wonders of Borneo,” National Geographic, Sept. 1993, p. 64.

このときの、タイトルのイタリック化や引用符のつけ方のルールは、以下のエントリをご参照ください。

 

yuki-kg.hatenablog.com

ページ番号のあらわしかたは、1ページだけの場合はp. 複数ページの場合はpp. に続けて数字(数字の範囲)を書きます。

参考文献一覧を作る

ノンフィクション作品を、誰かに取材をして書いたときは、注釈や脚注とは別に、参考文献一覧もつくります。

参考文献は、著者の姓のアルファベット順に並べます。

参考文献一覧の書き方

参考文献には、本文で引用した著作物をすべて含めることが大切です。

本の場合

著者名または編集者名+ピリオド+スペース+
題名
(+コンマ+スペース+巻数)
(+コンマ+スペース+版数)+ピリオド+スペース+
出版社の所在地(市)+コロン+スペース+
出版社名+コンマ+スペース+
出版年(月日)+ピリオド

例:
Charma, Devendra, and Moss, William. Satan and Milton. Boston: Cambridge University Press, 1992.

雑誌記事の場合

筆者名+ピリオド+スペース+
記事名+ピリオド+スペース+
刊行物名+コンマ+スペース+
巻数や発行年月日+コンマ+スペース+
記事のページ番号+ピリオド

例:
Flotis, Kallie. “Women on the Beach.” Newsweek, 9 May 1993, pp. 42-46.

同じ著者の文献を複数引用するときは、最初のエントリーの名前の後ろに3emのダッシュ (———) を使い、日付順に文献を並べます。

例:
Stark, Merry. Juvenile Diabetes. NY: Hammond Press, 1990. ———.Controlling Your Diabetes. NY: Hammond Press, 1993.

協会による編著で著者が存在しない本の場合は、その協会名を著者名のようにあつかいます。

例:
American Library Association. Multicultural Children’s Books. NY: ALA Press, 1994.

号のあるジャーナルからの記事の場合は、そのジャーナルの号数とページ番号の間にコロンを使います。

例:
Margaux, Kitty. “Lyme Disease and Your Dog.” Journal of Veterinary Medicine 64: 37-39. 

新聞記事の場合

筆者名+ピリオド+スペース+
記事名+ピリオド+スペース+
新聞名+コンマ+スペース+
発行年月日+コンマ+スペース+
章番号+コンマ+スペース+
ページ番号+コンマ+スペース+
コラム番号+ピリオド

例:
William, Anthony. “Park Crime Takes a New Twist.” Newsday, 11 May 1994, Sec. 2, p. 14, col. 2.

インタビューの場合

インタビューされた人の名前+ピリオド+スペース+
「Interview」という文言+ピリオド+スペース+
インタビュー年月日+ピリオド

例:
Morris, Mark. Interview. 24 March 1992.

参考文献の書き方は一貫している必要があります。ある行に「Lynn Messing, ed.」と書いて、別の行に「Donald Griggs, editor」と書いたりしないようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?

文献の引用のしかた、文献一覧の作り方をみていきました。

文章を書いて発表するときは、正しく文献管理していきましょう。

参考文献

The Princeton Language Institute. 21st Century Guide To Improving Your Writing. New York: Dell Publishing, 1995.