Yuki-KG’s blog

アメリカやイギリス、英語のことなど書いています。

英語で数学〜数と式(1)〜

小学校の算数や、中学高校の数学でいろいろ習いましたが、そこで習った言葉や公式や定理について、英語でなんて言うんだろうと思ったことありませんか?

そんな、算数や数学で出てくる英語をまとめてみました。

とは言っても筆者も数学から離れて長いので、あまり数学的に厳密な定義や言い方ができていないかもしれません。また、一応中学から高校レベルまでの数学について解説しますが、一部、高校レベルを超えた数学も含むことがあります。あくまで、「この言葉は英語ではこう言う」ということを意識していただければと思います。

Contents

数 (number)

整数 (integer)

\(0\)と、 \(−1, −2, −3, \cdots\) と、\(1, 2, 3, \cdots\) を整数 (integer) 、正である (positive) 整数を自然数 (natural number) といいます。 \(0\)と自然数のことを whole number といいます。whole numberでない整数は負である (negative) といいます。正負の符号を取った数を絶対値 (absolute value) といい、 \(|3|, |-4|, \cdots \) のようにあらわします。

整数には、\(2\)で割り切れる偶数 (even number) と、\(2\)で割り切れない奇数 (odd number) があります。

すべての自然数は、いくつかの素数 (prime number) の因数 (factor) の (product) であらわされます。たとえば、 \(12 = 2^2\times 3\) のようにあらわされます。このようにあらわすことを素因数分解 (prime factorization) といいます。

ある自然数について、\(1\)と、その数の素因数を一部または全部掛け合わせたものを、その数の約数 (divisors) といいます。たとえば、 \(12\) の約数は\(1, 2, 3, 4, 6, 12\)です。素数の約数は\(1\)とその数自身の2つだけです。\(1\)以外の自然数は必ず約数を複数もちます。約数が3つ以上ある自然数のことを合成数 (composite number) といいます。

素数チェッカー

整数を入力してください。素数かどうかをチェックし、素因数分解、約数を表示します。

チェック!

複数の自然数について、それぞれ素因数分解したときに、共通の素因数があったとき、それらを公約数 (common factors または common divisors) といいます。公約数のうち最大のものを最大公約数 (greatest common divisor = GCD) といいます。たとえば\(12(=2^2\times 3)\)と\(18(=2\times 3^2)\)の公約数は\(1, 2, 3, 2\times 3(=6)\)の4つで、GCDは\(6\)になります。GCDが \(1\) であるような2つの整数の関係は、互いに素である (coprime または relatively prime) といいます。

複数の自然数について、それぞれの倍数 (multiples) のうち共通のものがあったとき、それらを公倍数 (common multiples) といいます。公倍数のうち最小のものを最小公倍数 (least common multiple = LCM) といいます。たとえば \(4(=2^2)\) と \(6(=2\times 3)\) の公倍数は \(2^2\times 3(=12), 24, 36, 48, \cdots\) で、LCMは\(12\)になります。

公約数、公倍数

整数をスペースで区切って入力してください。


公約数を求める 最小公倍数を求める
求める!

分数 (fraction)、小数 (decimal)

整数でない数の代表として、分数 (fraction) と小数 (decimal) があります。

分数 (fraction) は、 \(\frac{1}{2}\) や \(2/3\) のように、横線や斜線を引いてその上下や前後に数を置いた形のもので、上や前の数を分子 (numerator) 、下や後ろの数を分母 (denominator) といいます。

英語では、\(\frac{1}{2}\) のことをhalf、分母が3以上のときは、
\(\frac{1}{3}\) のことをthird
\(\frac{1}{4}\) のことをfourth
\(\frac{1}{5}\) のことをfifth、…
のように、序数であらわします。ですので \(\frac{1}{6}\) なら「1つの \(\frac{1}{6}\) (one sixth) 」、 \(\frac{5}{9}\) なら「5つの\(\frac{1}{9}\) (five ninths) 」と読みます。

\(3\frac{3}{4}\) などのように整数を分数の前につけた形のものを帯分数 (mixed number) といいます。読み方は「三と四分の三 (three and three fourths) 」のように読みます。

分母と分子を入れ替えた数のことを逆数 (reciprocal) といいます。\(\frac{3}{4}\)の逆数は\(\frac{4}{3}\)です。

小数 (decimal) とは小数点 (decimal point) をつけてその前後に数字をあらわした数で、小数点の左側に
十の位 (tens) 
百の位 (hundreds) 
千の位 (thousands) 
一万の位 (ten thousands) 
十万の位 (hundred thousands) 
百万の位 (millions) ...
のような数字を置きます。

小数点は、アメリカやイギリスでは日本と同じように「.」(ドット)を使います。ヨーロッパの大陸の方では「,」(コンマ)を小数点として使うところもあります。

小数点の右側には、
小数第一位 (tenths) 
小数第二位 (hundredths) 
小数第三位 (thousandths) 
小数第四位 (ten thousandths) 
小数第五位 (hundred thousandths) 
小数第六位 (millionths) ...
の数字を置きます。

読み方は、\(5.2\)なら「五点二 (five point two) 」あるいは「\(5\)と、2つの\(1/10\) (five and two tenths) 」と読みます。\(7.29\)なら「七点二九 (seven point two nine) 」あるいは「\(7\)と、\(29\)個の\(1/100\) (seven and twenty-nine hundredths) 」、\(63.174\) なら「六十三点一七四 (sixty-three point one seven four) 」あるいは「\(63\)と、\(174\)個の\(1/1000\) (sixty-three and one hundred seventy-four thousandths) 」のように読みます。

実数 (real number)、複素数 (complex number)

整数と整数の間の連続する部分を含んだ数のことを実数 (real number) といいます。実数のうち、分数であらわせる数のことを有理数 (rational number) 、そうでないものを無理数 (irrational number) といいます。円周率 (\(\pi\)) が無理数の代表的なものです。 

\(\sqrt{-1}=i\)を含む数のことを虚数 (imaginary number) とよび、実数と虚数をあわせたものを複素数 (complex number) といいます。\(i\) のことを虚数単位 (imaginary unit) といいます。虚数単位は \(j\) であらわすこともあります。

演算 (operation)

数は、

  • 掛け算 (multiplication)
  • 割り算 (division)
  • 足し算 (addition)
  • 引き算 (subtraction)

などの乗除加減 (MDAS) といった演算 (operation) をすることができます。

掛け算 (multiplication)、割り算 (division)

掛け算 (multiplication) は、\(3 \times 2\) のような形で、\(3\) をけられる数 (multiplicand) 、\(2\) をける数 (multiplier) とよびます。読み方は「\(3\) times \(2\)」あるいは「\(3\) multiplied by \(2\)」といいます。掛け算の結果を (product) といいます。掛け算は交換法則 (commutative law) が成り立つので、\(3 \times 2 = 2 \times 3\) になります。また結合法則 (associative law) により、\(3 \times (2 \times 4) = (3 \times 2) \times 4\) になります。

割り算 (division) は、\(13 \div 4\) などの形で、この\(13\)の部分を割られる数 (dividend) 、\(4\)を割る数 (divisor) といいます。読み方は「\(13\) divided by \(4\) 」で、この結果(\(3\)余り\(1\))の\(3\)を (quotient)、\(1\)を剰余 (remainder) といいます。

足し算 (addition)、引き算 (subtraction)

足し算 (addition) は、 \(1 + 2\) のような形で、足した結果のことを (sum) といいます。掛け算と同じく、足し算も交換性 (commutativity) と結合性 (associativity) をもちます。

引き算 (subtraction) は \(8 − 2\) のような形で、\(8\)を引かれる数 (minuend) 、 \(2\)を引く数 (subtrahend) とよび、引いた結果のことを (difference) といいます。

\( (4 + 3) \times 2 = 4 \times 2 + 3 \times 2\) になります。これを分配法則 (distributive property) とよびます。

べき乗 (exponent)

べき乗 (exponent) とは、同じ数を複数回掛け算したもので、\(2 \times 2 \times 2\) は \(2^3\) のようにあらわします。読み方は「two raised to the third power」あるいは「two raised to the power of three」あるいは「the third power of two」のようになります。この\(2\)の部分を (base) 、\(3\)の部分をべき指数 (exponent または power) といいます。

同じ数を2回掛け算することを自乗あるいは平方 (square) ともいいます。

演算の順序

演算の順序は、PEMDASと覚えます。

Pはかっこ (parenthesis)
Eはべき乗
MDは掛け算と割り算
ASは足し算と引き算
のことです。

優先順位は P > E > MD > AS の順です。

たとえば、\( 1 + (2 \times 3)^2 \div 4 - 2 \) の計算は、

\[ 1 + (2 \times 3)^2 \div 4 -2 \\ = 1 + 6^2 \div 4 -2 \\ = 1 + 36 \div 4 -2 \\ = 1+9-2 \\ = 8 \]

のようになります。

べき根 (radical)

べき根 (radical) は、根号 (radical signあるいはradix) をつけてあらわします。

\(\sqrt{2}\) のように根号をつけたものを平方根 (square root) 、 \(\sqrt[3]{2}\) のようなものを立方根 (cube root) 、 \(\sqrt[n]{2}\) のようなものをn乗根 (\(n\)-th root) といいます。

\(\sqrt{200}\) を \(10\sqrt{2}\) に書き換えるようなことを、根号の中を簡単にする (simplify radicals) といいます。小数の形でべき根の近似値を求めることを、開方 (evolution) といいます。分母を有理数に書き換えることを、分母を有理化する (rationalize denominators) といいます。

定数 (constant) と変数 (variable)

いままであげてきたのは、値がつねに一定な定数 (constant) とよばれるものでしたが、それに対して、値が変わる数のことを、変数 (variable) といいます。

変数は、 \(x\) や \(y\) などの文字であらわします。

変数に定数を入れることを「\(x\) \(5\) を代入する (substitute \(5\) for \(x\)) 」のように言います。

\(4 \times x\) のことを \(4x\) のようにあらわします。ここの \(4\) の部分を係数 (coefficient) といいます。

多項式 (polynomial)

\(x^2-4x+1\) のような、文字や数やべき乗を交えて足し引きした式を多項式 (polynomial) といいます。多項式は複数の(term) を足したものです。

項が1つだけの式を単項式 (monomial) 、項が2つある式を二項式 (binomial) 、項が3つある式を三項式 (trinomial) といいます。

多項式には次数 (degree) があり、\(3x^2-8x^4+x^5\) の次数は5次 (5th degree) になります。 \(3x − 2\) は一次多項式 (1st degree polynomial) 、 \(8\) は0次多項式 (zero degree polynomial) です。

\(x^2+3x+2=(x+1)(x+2)\) のように、多項式因数の積 (product of factors) の形に書き換える作業のことを因数分解 (factoring) といいます。

方程式 (equation) と不等式 (inequality)

\[ 3x-4=2x+5 \]

のように、変数 \(x\) にある特定の数を入れた場合にのみ等式が成り立つような式のことを方程式 (equation) と呼びます。

この方程式を満たす \(x\) を求めることを、方程式を解く (solve) といい、解いた結果のことを (root) あるいは (solution) といいます。

方程式は一般に \(f(x) = 0\) の形式であらわされます。この \(f(x)\) が一次多項式のものを一次方程式 (linear equation) 、二次多項式のものを二次方程式 (quadratic equation) といいます。

\[ 3x-4\lt 2x+5\]

のように、等号ではなく不等号がついている形式で、変数 \(x\) がある特定の範囲をとった場合にのみ成り立つような式のことを不等式 (inequality) と呼びます。

関数 (function)

関数 (function)  \(y = f(x)\) を \(x\)−\(y\) 座標上にあらわしたグラフ (graph) をよく目にします。 \(x\) (\(x\)-axis) を横線、 \(y\) (\(y\)-axis) を縦線にすることが多いです。そこにプロット (plot) された点の位置を \((2, 3)\) のような座標 (coordinate) であらわします。

\( (2, 3) \)とは\(x\)座標\(0\)の位置から\(x\)軸にそって \(+2\) 、 \(y\)座標\(0\)の位置から\(y\)軸にそって\(+3\)移動させた位置を示します。

座標 \( (0, 0) \) を原点 (origin) といいます。

\( f(x)=ax+b\) (\(a\neq 0\))のような関数を一次関数 (line) といいます。一次関数 \(y = ax + b\) をグラフ上にあらわすと直線の形になります。\(y\) を従属変数 (dependent variable)、\(x\) を独立変数 (independent variable) といいます。\(a\)を傾き (slope) といい、座標 \((0, b)\) を \(y\) 切片 (\(y\)-intercept) といいます。このグラフが\(x\)軸を交差する点 \( \left(−\frac{b}{a}, 0\right)\) を\(x\) 切片 (\(x\)-intercept) といい、ここの\(x\)座標 \(x = −\frac{b}{a} \) こそが、一次方程式 \(ax + b = 0\) の解にほかなりません。

二次関数 \(y=ax^2+bx+c\) ( \(a \ne 0\) )をグラフ上にあらわすと、ある点を境に左右対称に両側に上向きに立つ ( \(a > 0\) の場合) か下向きに立つ ( \(a < 0\) の場合) ような形になります。その点の座標を求めるには、二次関数 \(y=ax^2+bx+c\) 上の各点について、その点でグラフに接する直線、つまり二次関数 \(y=ax^2+bx+c\) の導関数 (derivative) を求め、それが \(0\) になるような点を探します。

二次関数 \(y=ax^2+bx+c\) の導関数を求めるには、二次関数 \(y=ax^2+bx+c\) を微分します (differentiate)。二次関数 \(y=ax^2+bx+c\) を微分すると、

\[ \frac{dy}{dx} = 2ax+b \]

になります。これが \(0\) になるような \(x\) は、

\[ \begin{eqnarray} 2ax+b & = & 0 \nonumber \\ 2ax & = & -b \nonumber \\ x & = & -\frac{b}{2a} \nonumber \end{eqnarray} \]

となります。このときの \(y\) 座標は

\[ \begin{eqnarray} y & = & a\left(-\frac{b}{2a}\right)^2 + b\left(-\frac{b}{2a}\right) + c \nonumber \\ & = & a\cdot \frac{b^2}{4a^2} -\frac{b^2}{2a} + c \nonumber \\ & = & \frac{b^2}{4a} - \frac{b^2}{2a} + c \nonumber \\ & = & \frac{b^2-2b^2+4ac}{4a} \nonumber \\ & = & \frac{-b^2+4ac}{4a} \nonumber \\ & = & -\frac{b^2-4ac}{4a} \nonumber \end{eqnarray} \]

となります。

\(a\gt 0\)のときは、どんな \(x\) に対しても、 \(y\) はこれより小さい値をとることはありません。このような \(y\) は下に有界である (bounded from below) といい、\( -\frac{b^2-4ac}{4a} \) 以下の数を下界 (lower bounds) といいます。\( -\frac{b^2-4ac}{4a} \) を最大下界 (greatest lower bound) あるいは下限 (infimum) といいます。

このとき、二次関数 \(y=ax^2+bx+c\) は座標 \( \left( -\frac{b}{2a}, -\frac{b^2-4ac}{4a} \right) \) の点を境に左右対称になりますが、この点の \(y\) 座標が \(0\) を下回っていれば、この二次関数は \(x\) 軸に2回交わる形になります。つまり \(-\frac{b^2-4ac}{4a}\lt 0\)、両辺を \(-4a\) 倍して \(b^2-4ac\gt 0\) (\(-4a<0\) なので不等号の向きが変わる)であれば、この二次関数は \(x\) 軸に2回交わる、つまり、二次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解は2つあることになります。

この二次関数が \(x\) 軸に交わるところの \(x\) 座標、つまり二次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解は、座標 \( \left( -\frac{b}{2a}, -\frac{b^2-4ac}{4a} \right) \) の点から、グラフに沿って、\(y\) 座標が \(\frac{b^2-4ac}{4a}\) だけ増えるように左右に動かせばいいことになります。二次関数なので、\(y\) 座標を \(A\) だけ増やすためには、 \(x\) 座標を左右に \(\sqrt{\frac{A}{a}}\) だけずらせばいいのです。\(y\) 座標を \(\frac{b^2-4ac}{4a}\) だけ増やすためには、\(x\) 座標を左右に \(\sqrt{\frac{\frac{b^2-4ac}{4a}}{a}}= \sqrt{\frac{b^2-4ac}{4a^2}} = \frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \) だけ動かせばいいことになります。つまり\(x\) 軸に交わる点はそれぞれ \( \left( \frac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}, 0 \right) \) と \( \left( \frac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a}, 0 \right) \) になります。

\(-\frac{b^2-4ac}{4a}=0\) つまり \(b^2-4ac=0\) であれば、この二次関数は座標 \( \left( -\frac{b}{2a}, 0 \right) \) の点で\(x\) 軸に接することになり、二次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解は \(x=-\frac{b}{2a} \) の1つだけあることになります。

\(-\frac{b^2-4ac}{4a}\gt 0\) つまり \(b^2-4ac\lt 0\) であれば、この二次関数は \(x\) 軸に交わらない、つまり二次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解は存在しないことになります。

\(a\lt 0\)のときは、どんな \(x\) に対しても、 \(y\) はこれより大きい値をとることはありません。このような \(y\) は上に有界である (bounded from above) といい、\( -\frac{b^2-4ac}{4a} \) 以上の数を上界 (upper bounds) といいます。\( -\frac{b^2-4ac}{4a} \) を最小上界 (least upper bound) あるいは上限 (supremum) といいます。

このとき、二次関数 \(y=ax^2+bx+c\) は座標 \( \left( -\frac{b}{2a}, -\frac{b^2-4ac}{4a} \right) \) の点を境に左右対称になりますが、この点の \(y\) 座標が \(0\) を上回っていれば、この二次関数は \(x\) 軸に2回交わる形になります。つまり \(-\frac{b^2-4ac}{4a}\gt 0\)、両辺を \(-4a\) 倍して \(b^2-4ac\gt 0\) (\(-4a\gt 0\) なので不等号の向きは変わらない)であれば、この二次関数は \(x\) 軸に2回交わる、つまり、二次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解は2つあることになります。

この二次関数が \(x\) 軸に交わるところの \(x\) 座標、つまり二次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解は、座標 \( \left( -\frac{b}{2a}, -\frac{b^2-4ac}{4a} \right) \) の点から、グラフに沿って、\(y\) 座標が \(\frac{b^2-4ac}{4a}\) だけ減るように左右に動かせばいいことになります。二次関数なので、\(y\) 座標を \(A\) だけ減らすためには、 \(x\) 座標を左右に \(\sqrt{\frac{A}{a}}\) だけずらせばいいのです。\(y\) 座標を \(\frac{b^2-4ac}{4a}\) だけ減らすためには、\(x\) 座標を左右に \(\sqrt{\frac{\frac{b^2-4ac}{4a}}{a}}= \sqrt{\frac{b^2-4ac}{4a^2}} = \frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \) だけ動かせばいいことになります。つまり\(x\) 軸に交わる点はそれぞれ \( \left( \frac{-b-\sqrt{b^2-4ac}}{2a}, 0 \right) \) と \( \left( \frac{-b+\sqrt{b^2-4ac}}{2a}, 0 \right) \) になります。

\(-\frac{b^2-4ac}{4a}=0\) つまり \(b^2-4ac=0\) であれば、この二次関数は座標 \( \left( -\frac{b}{2a}, 0 \right) \) の点で\(x\) 軸に接することになり、二次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解は \(x=-\frac{b}{2a} \) の1つだけあることになります。

\(-\frac{b^2-4ac}{4a}\lt 0\) つまり \(b^2-4ac\lt 0\) であれば、この二次関数は \(x\) 軸に交わらない、つまり二次方程式 \(ax^2+bx+c=0\) の解は存在しないことになります。

一般に二次方程式

\[ ax^2+bx+c=0 \]

の解は、

\[ x = \frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \]

であらわされます。これを解の公式 (quadratic formula) といいます。

\(b^2-4ac \gt 0\) の場合は、解は2つになります。\(b^2-4ac = 0\) の場合は、解が1つ(重解)、 \(b^2-4ac \lt 0\) の場合は、解なし(複素数まで考慮すると、虚数2つが解)となります。

逆関数 (inverse function)

関数 \(y = f(x)\) に対し、 \(x=f^{-1}(y)\) とあらわすことができる場合、このような \(x\) を逆関数 (inverse function) といいます。

対数 (logarithm)

関数 \(y=a^x\) (\(a>1\))のようなものを指数関数 (exponential) といいます。指数関数の逆関数は \(y=\log_ax\) となり、このような関数を対数 (logarithm) といい、 \(a\) を (base) といいます。

\(a = 10\) のときは特別に \(y=\log x\) とあらわします。これを常用対数 (common logarithm) といいます。

さて、\($1\)を年利100%で運用していくと、1年後には \(1 \times (1 + 1) = $2\) になります。これを半年につき50%の複利で運用することにすると、1年後には \( 1\times (1+0.5)^2 = $1.5^2 = $2.25\) になります。3ヶ月につき25%の複利にすると1年後は \( 1\times (1+0.25)^4 = $1.25^4 = $2.4414062\cdots\) となります。毎月 \(\frac{100}{12}\)%の複利にすると1年後は \( 1\times (1+1/12)^{12} = $2.6130352\cdots\) となります。

たとえば、1年を100分割して各期ごとに1%の複利にすると、

1年後には \( 1\times (1+1/100)^{100} = $2.7048138\cdots\) 、

1年を10000分割して各期ごとに1%の複利にすると1年後には \( 1\times (1+1/10000)^{10000} = $2.7181459\cdots\)

のように、だんだん期間を細かくしていくと、1年後の金額は\(2.7182818\cdots\) という無理数に近づいていき、どんなに期間を細かくしてもこの数以上には増えないことになります。

この\(2.7182818\cdots\)のことを\(e\)という文字であらわします。この\(e\)のことをオイラー (Euler's number) あるいはネイピア数 (Napier's constant) ともいいます。

対数関数 \(y=\log_ax\) において、 \(a=e\)のときは \(y=\ln x\) とあらわします。これを自然対数 (natural logarithm) といいます。\(e\)は自然対数の底になります。

 

「英語で数学〜数と式(2)〜」へ続きます。

参考